加齢による声への影響③~女性のホルモンバランス変化と『むくみ』

Byイチハラカヨコ

記:2011年7月12日


前回の『委縮』の特徴は、
男性に現れやすいと書きました。

じゃあ、女性の場合は?と言えば、
男性とはまた違う特徴が現れます。


例えば大ベテランの女優さんの、
10年とか20年前のVTRが流れたとき。

「声の高さが今と全然違う!」

…と思ったこと、ありませんか?


一般に人の声は、
子ども⇒思春期⇒成人と進むにしたがって低くなり、
その後は年齢とともに徐々に変化はするものの、
それほど変わることなく進んできますが…


女性の場合、大きな変化を迎える時期があります。

それは、閉経期。
いわゆる、更年期ですね。


ホルモンバランスの変化の影響を受け、
声帯が水膨れのようにむくみ太くなり、
声が低くなります。



この“声帯がむくむ”という現象、これ以外にも、
声を出しすぎたり、風邪を引いたりして腫れたときにも起こります。

むくんでしまうと何が起こるかというと、
左右の声帯がうまく合わさって振動することができなくなるため、
声がかすれたりしわがれたりします


このため、振動数が多くないと出すことのできない高い音が、
出しづらくなってしまう
わけです。

感覚的には、この『風引いて声が出づらい』状態が、
慢性的に続くような感じ…と、思うといいのではないでしょうか。


日常会話には別に不自由はしないかも知れませんが、

歌を歌うことを考えると、ちょっと厄介ですね。

とても残念なことなんですが、

特に女性の歌手は、
ある年齢を境にガクンと声が出なくなってしまう方が、
男性よりも多いように感じます。

そりゃ~そうですよ。
プロの方は、ベストなコンディションを作ることで良い歌声をキープするわけですから、

そのコンディションが、
乾燥によって潤い不足なった上に、
むくみで輪をかけて声帯が重くなったのでは…。
女性が声をキープするのは、大変なことです。


年配の生徒さんの中には、
「ある時期ガクンと高い音が出せなくなった」
とおっしゃる方も実際います。

(恐らくむくみだけではなく、
原因は複合的だと思われますが。)


変化の度合いや、その変化の来る年代などは、
個人差が大変大きいことなんですが、

この『むくみ』による声の変化は、
男子の変声期に近いものがあるという話もあり(*_*;…


なんだって筋力や対応力が衰えるこの時期に、
そんな変化が起こるのか。
まったく、神様のイジワル(笑)。


この神様のイジワルに対抗する術は、
何かないだろうか!?


続きます♪
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